これは自分が受けたかった授業だと思いました

これは自分が受けたかった授業だと思いました

シュタイナー学園保護者 中村綾さん(前編)

中村綾さん 
学園4年生になる下の娘さんの入学をきっかけに藤野に移住された中村綾さんに、この藤野という町とシュタイナー学園に通う今の暮らしについて伺いました。中村さんは現在、気功教室、畑、生活介護事務所の事務と、多岐にわたり活動されながら、学園を会場に年に一回開催される「藤野まるまるマルシェ」のタブロイド紙の製作や運営、シュタイナー学園のウェブライターとしても活躍されています。

シュタイナー学園への入学を決めたきっかけはなんだったのでしょうか?

もともと教育に興味があって、現在20歳になる上の娘が幼稚園の頃からシュタイナー教育のことは知っていました。当時は地元の静岡に住んでいて、近くにシュタイナー学校はなく、上の娘は自由な校風の私立の学校に通っていました。下の娘が生まれる時に東京に引っ越し、最初は都心に住んでいましたが、もうちょっとのんびりとした環境で暮らしたいな、海の近くがいいな、と葉山に引っ越しました。葉山に数年暮らした後、下の娘の小学校を考えていた時、シュタイナー学園主催の「夏の学校」で体験授業を受けて感動したんです。算数の授業だったのですが、一言でいって美しい授業でした。わたしは子どもの頃、ドリル式の計算が得意でした。でも早くどんどん答えを出していく勉強は「なんで?どうして?」という問いを持つことがなく、三角関数になった途端わからなくなってしまった。シュタイナー学園の授業を受け、これは自分が受けたかった授業だと思いました。その後、実際学園に通っている家庭にホームステイしながら藤野の生活に触れられる機会があり、ここで暮らしたいなと思って移住と学園への入学を決めました。

 

生活の中でいつでも買い物ができるとか便利かどうかということは実は重要なことじゃなかったな、と。

 

越してきてみて実際の暮らしはどうでしたか?

よく買い物はどうするんですか?不便ではないですか?と聞かれますが、生活の中でいつでも買い物ができるとか便利かどうかということは実は重要なことじゃなかったな、と。学園の広報係に立候補したことがきっかけで、まるまるマルシェのウェブサイトやタブロイド紙で紹介する農家さんたちの取材をすることになったんです。取材したり文章を書いたりすることはあまりやったことはなかったのですが、農家のみなさんそれぞれ、哲学を持って有機野菜を作られている方々で、話を聞くのがとても面白かった。取材した農家さんの野菜は隔週で開催されているビオ市(※)で直接買うことができるので、こんな人たちが育てている野菜を買って食べられるってとても幸せだな、と思いました。

ビオ市では中村さんも施術を行っていたんですよね。

整体の施術は葉山に住んでいた時から行っていました。もともと下の娘の体が強い方ではなく、小さい頃は週に何度も病院に行くような生活。娘や自分の体を整えられるようになったらな、と整体を学びました。初めは娘に向けて行っていた整体がいつの間にか仕事になっていて、藤野でも行っていたのですが、ここに来てからやりたいことがいろいろとありすぎてしまって。100%で向き合いたいと思っているので、施術はお休みし、今は新しいこともはじめています。

娘さんの教育がきっかけで移住した藤野で自身も変化し、暮らしを楽しんでいる中村さん。後編では学園との関わりや、新しく出会ったやりたいこと、ここでの暮らしで感じたこと、気づいたことを伺います。

※ 2016年からはじまった平日の午前中に月2回開催される朝市。地元農家さんの有機野菜他、パン、加工品、整体、珈琲、ハーブなど多くの出店があり、遠くからこれ目当てに訪れる人も多くいるほど毎回大盛況。

後編へ


ライター:中村暁野