学びは楽しい遊びの一環のように捉えていて、
日常の中に嫌なことが何一つなかった

学びは楽しい遊びの一環のように捉えていて、日常の中に嫌なことが何一つなかった

18期卒業生 中村美里さん(前編)

中村美里さん
山梨学院大学国際リベラルアーツ学部に在学している中村美里(みのり)さんはシュタイナー学園18期卒業生。シュタイナー学園高等部卒業時には、アート、音楽、政治、伝統文化や伝統芸能と学びたい分野が多くあり、悩んだ末に幅広い分野を学ぶことのできるリベラルアーツ学部のある大学へと進学を決めたそうです。現在は大学の交換留学制度でカナダの大学に留学中で、演劇とダンスを重点的に学んでいます。学園での学びがあらゆる興味の鍵になった、というお話の前編をお届けします。

シュタイナー教育と出会ったきっかけはなんだったのでしょう?

姉と弟がいるのですが、もともと姉がシュタイナー学園に通っていて、自分も当然のように通いはじめました。子ども時代はとにかく駆け回って遊んでいました。とても活発な子の多いクラスだったので、先生は大変なこともあったのではないかと思います。8年間担任をしていただいた高橋先生にはとても感謝しています。

8年間担任の先生が同じというのはどんな感覚なのでしょう?

当時はもう、先生がいない生活は想像できないくらい、いてくださることが当たり前の存在でした。先生のそばにいたくて授業の準備を手伝ったり、みんなで先生のとりあいという感じでしたね。『高橋先生は高橋先生』としか言えない、大きな存在でした。

印象に残っている授業はありますか?

当時、これが勉強だという認識をしていなかったように思います。学びは楽しい遊びの一環のように捉えていて、日常の中に嫌なことが何一つなかった。特にエポック授業が大好きでした。3週間かけてひとつの分野を集中して学ぶと、その世界にどっぷりと浸れる。ノートをつくるのも大好きで、いつも人の1.5倍くらい多いページになっていました。そういう学びがわたしのたくさんの興味を育んでくれたと思います。でも当時はそれが当たり前のことで、学びとはそういうものだと思っていました。

 

わたしはやっぱりここで受けられる学びが好きだった

 

いわゆる「普通」の学びとの違いを意識したのはいつ頃でしたか?

高等部に行くという時に、初めて自分はこの学びを選択しているんだ、という自覚を持ちました。クラスの中には「受験をしてみたい」とか「普通学校の部活をしたい」という意志を持って転出した子もいましたが、わたしはやっぱりここで受けられる学びが好きだった。意外だったのは、普通の学校ではシュタイナー教育にはない学びがあるんだろうな、と思っていたんです。例えば「理科」とかシュタイナー学園ではちゃんとやっていないのではないか?と思っていたり(笑)。でも、外部に転出した子の話を聞くと「植物学」や「光学」「物理学」という名前のエポック授業で、ちゃんと習っていたと知りました。そうして進んだ高等部では、ますます自分にとっては興味を持てる、さまざまな出会いがありました。

シュタイナー学園での学びを通して、あらゆる分野への意識と関心が育ったという美里さん。後編では高等部での出会い、そして見つけた将来の夢について伺います。

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ライター:中村暁野